片頭痛の症状と特徴とは?他の頭痛との見分け方や受診の目安を医師が解説|天白区の脳神経外科|たけもと脳神経外科

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片頭痛の症状と特徴とは?他の頭痛との見分け方や受診の目安を医師が解説

片頭痛の症状と特徴とは?他の頭痛との見分け方や受診の目安を医師が解説

両側の痛みや吐き気も片頭痛の手がかりに?症状を整理する前に


片頭痛は頭の片側がズキズキと脈打つ痛みだけでなく、両側の痛みや動いたときのつらさ、吐き気、光や音への過敏さといった症状の組み合わせで見分けます。痛む場所が両側であったり首や肩のこりを伴ったりしても、それだけで片頭痛ではないと決めつけることはできません。


本記事では、片頭痛でみられる症状の幅や緊張型頭痛・群発頭痛との違い、月経や休日との関係、受診時に役立つ頭痛日記のつけ方を整理します。日常生活に支障が出ている場合の受診の目安や、急いで医療機関へ相談したい症状も解説しますので、ご自身の経過を振り返る材料としてお役立てください。


この記事の要点まとめ


  • 片頭痛は痛む場所だけでなく、動作による悪化や吐き気、光・音への過敏さなどをあわせて捉えます。
  • 緊張型頭痛や群発頭痛との違いを知り、月経や睡眠、天候との関係を頭痛日記に記録すると診察に役立ちます。
  • 日常生活への支障や服薬日数の増加は受診の目安です。突然の激しい頭痛や麻痺などがあれば速やかに相談しましょう。


片頭痛でみられる痛み方と、一緒に起こりやすい症状

片頭痛でみられる痛み方と、一緒に起こりやすい症状

片頭痛かどうかを考える際は、痛む場所ひとつだけで判断せず、発作の続く時間や一緒に現れる症状を組み合わせて確認します。国際頭痛分類第3版(ICHD-3)では、似たような発作を繰り返していることや、薬を飲まない状態で痛みが4〜72時間続くこと、痛み方の特徴、吐き気や光・音への過敏さなどを照らし合わせて診断します12。


ただし、実際の診察ではすべての項目がそろわず「片頭痛の疑い」にとどまる場合もあります。また、片頭痛によく似た痛みが脳の血管の病気など別の原因から起こることもあるため、自己判断で決めつけないことが大切です2。


ポイント

片頭痛は「痛む場所」だけでなく、「動くとつらくなるか」「吐き気や光・音への過敏さがあるか」といった経過の組み合わせで捉えます。


痛む場所は片側だけとは限らない


「片頭痛」という名前から片側だけが痛むと思われがちですが、両側やこめかみ、後頭部が痛む患者さまもいらっしゃいます。発作のたびに右から左へと痛む側が変わったり、最初は片側だった痛みが頭全体へ広がったりすることも珍しくありません。


また、心臓の拍動に合わせてズキズキと脈打つような痛み方が代表的ですが、人によっては重苦しい痛みや締めつけに近い感覚として自覚されることもあります。痛む場所や痛みの質だけで除外せず、前後の体調変化も含めて振り返ってみましょう。


階段や通勤中につらさが増す、吐き気や光・音への過敏さ


階段の上り下りや歩行、前かがみになるといった日常の何気ない動作で痛みが強まることは、片頭痛を見分ける大きな手がかりです。さらに、頭痛の最中に吐き気や嘔吐が起きたり、普段は気にならない電車の光や周囲の話し声、においが不快に感じられたりする随伴症状(頭痛と一緒に起こる症状)を伴いやすくなります。


通勤中のまぶしさや騒音で気分が悪くなり、会議室で静かに横になりたくなるような状況があれば、単なる疲れではなく片頭痛の性質が関わっている可能性があります。職場で周囲に状況を伝える際も、「単なる頭痛」ではなく「光や音、動作で吐き気と痛みが強まる状態」と言葉にすると理解を得やすくなります。


前兆の種類と、前兆がない片頭痛


片頭痛には、痛みが始まる前に「前兆」と呼ばれる症状が現れるタイプと、前兆がないタイプがあり、割合としては前兆のない片頭痛のほうが多くみられます。代表的な前兆は「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれ、視界にキラキラした光やギザギザの線が現れて徐々に広がり、その後に視野の一部が見えにくくなります。


ほかにも、手や口の周りのしびれ、言葉が出にくいといった感覚や言葉の変化が前兆として起こる場合があり、多くは数分から60分以内におさまって頭痛へと移行します。前兆がないから片頭痛ではないとは言えない一方、初めて経験する視覚の異常や長く続くしびれ・麻痺がある場合は、脳血管疾患など別の病気との区別が必要です2。


緊張型頭痛・群発頭痛との違いを見分ける視点


頭痛は大きく分けて、くも膜下出血や脳腫瘍などの病気が原因で起こる「二次性頭痛」と、検査で脳に異常が見つからない「一次性頭痛」の2つに分類されます2。一次性頭痛の代表が、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の3つです。


比較項目片頭痛緊張型頭痛群発頭痛
主な痛み方・場所片側または両側がズキズキ脈打つ(非拍動性のこともある)後頭部から頭全体がギューッと締めつけられる片側の目の奥や周囲がえぐられるように激しく痛む
持続時間の目安4〜72時間30分〜7日間15〜180分(一定期間、ほぼ毎日続く)
日常動作での変化歩行や階段の昇降で痛みが強まり、横になりたくなる動いても悪化しにくく、軽い運動で和らぐことがある痛みが強く、じっとしていられずに動き回る
一緒に起こる症状吐き気・嘔吐、光や音・においへの過敏さ肩や首のこり、ふわふわするめまい(吐き気は少ない)痛む側の目の充血、涙、鼻水・鼻づまり

なお、一次性頭痛には頭の一部がコイン大の範囲で痛むタイプなど珍しい種類も含めて多様な分類が存在するため、表のどれにも当てはまらない場合は医師の診察で見極めます1。


肩こりを伴う頭痛と片頭痛の重なり


緊張型頭痛は、長時間のデスクワークや精神的な緊張などによって頭全体が締めつけられるように痛み、動いても痛みが強まりにくく、強い吐き気は伴わないことが多い頭痛です。一方で、片頭痛の患者さまでも発作が始まる前触れ(予兆)や発作中に首や肩のこりを感じることがよくあります。


また、普段は緊張型頭痛があり、週末や月経前後になると片頭痛が起こるというように、両方の頭痛を併せ持っている方も少なくありません。「肩こりがあり両側が痛むから緊張型頭痛だろう」と自己判断せず、動いたときの悪化や光・音へのつらさがないかを確認することが見分ける手がかりになります。


目の奥の激しい痛みが続けて起こる群発頭痛


群発頭痛は、片側の目の奥やこめかみ周辺に「突き刺されるような」と表現される激しい痛みが起こる疾患です。痛みと同じ側の目が充血したり、涙や鼻水が出たりする自律神経の症状を伴うのが特徴となります。


1回の痛みは15分から3時間ほどで、1〜2か月間の「群発期」と呼ばれる期間に、毎日同じような時間帯(特に夜間や睡眠中)に繰り返します。暗く静かな場所でじっと横になっていたい片頭痛とは対照的に、群発頭痛の発作中は落ち着きがなくなり、痛みを紛らわせようと部屋の中を歩き回るような経過がみられます。


月経や休日に起こる頭痛と、頭痛日記に残したい項目

月経や休日に起こる頭痛と、頭痛日記に残したい項目

頭痛が起きる時期に偏りがある場合、生活リズムや体内のホルモン変化が引き金になっていることがあります。ご自身の頭痛の傾向を客観的に把握し、診察時に医師へ正確に伝えるためには、日々の経過を書き留める「頭痛日記(頭痛ダイアリー)」の活用が役立ちます。


なお、食事内容の工夫やマグネシウムなどのサプリメント摂取による予防については、発作の回数や月間の頭痛日数の変化を調べた研究があるものの、報告によって結果が分かれる部分もあります3。自己判断でサプリメントだけに頼り切るのではなく、まずは記録をもとに医師へ相談することをご検討ください。


月経前後や週末に頭痛が起こりやすい背景


女性の場合、月経が始まる2日前から月経3日目頃にかけて、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少する影響で片頭痛が起こりやすくなります。月経に関連する片頭痛は、普段の発作よりも痛みが強く長引きやすい傾向があり、市販の鎮痛薬だけでは抑えきれないことも少なくありません。


また、平日の仕事で張り詰めていた緊張がゆるむ週末や、休日の朝にいつもより長く寝てしまったときも、自律神経の切り替わりによって頭痛が誘発されやすくなります。そのほか、食事を抜いたことによる血糖値の変化や、気圧・天候の変動もきっかけになるため、起こりやすい条件を知っておくと予定の調整や薬の準備がしやすくなります。


受診時に伝わりやすい頭痛日記のつけ方


診察室で過去の頭痛を思い出そうとしても、いつ・どのくらい痛んだかを正確に伝えるのは難しいものです。紙の手帳やスマートフォンのメモ機能を使い、以下のような項目を記録しておくと診察での情報共有がスムーズになります。


  • 頭痛が起きた日時と続いた時間:何時頃に始まり、何時間(または何日間)続いたか
  • 痛みの進み方と性質:一気に痛みのピークに達したか、徐々に強まったか、片側か両側か
  • 一緒に起きた症状と引き金:吐き気、光や音への過敏さ、肩こり、月経周期や天候・睡眠との関係
  • 生活への支障度:会議を退席した、家事やお子様との予定を取りやめたなど具体的な困りごと
  • 薬の名前・飲んだ時刻・効き目:どの薬をいつ飲み、何時間後に和らいだか(または夕方にぶり返したか)

1か月のうちに「頭痛があった日数」と「薬を飲んだ日数」がひと目でわかるようにしておくことで、現在の薬が合っているか、薬の効き始める時間と痛みのピークが合致しているかを医師と一緒に振り返る材料になります。


ポイント

頭痛日記には「痛みの強まり方」「続いた時間」「薬を飲んだ日数」「仕事や家庭への支障」を残しておくと、より適した治療法を選びやすくなります。


受診を考える目安と、急いで相談したい症状


頭痛への対応では、「落ち着いたタイミングで頭痛外来や脳神経外科を受診するケース」と、「二次性頭痛の可能性を考えて速やかに医療機関へ相談するケース」を区別しておく必要があります。片頭痛に似た症状であっても、背景に血管の異常や外傷、けいれんに関わる病態などが隠れていることがあるため、必要に応じた画像検査で見極めることが大切です2。


仕事や育児への支障、服薬日数が増えてきたら


「頭痛くらいで病院に行ってよいのだろうか」と迷われる患者さまは多いですが、痛みや吐き気で会議を途中退席したり、休日に寝込んでご家族との予定を取りやめたりしている場合は、すでに日常生活へ支障が出ている状態であり受診を考える目安となります。


特に気をつけたいのが、市販の鎮痛薬などを飲む回数が増えているケースです。月に10日以上を目安として痛み止めを飲み続けていると、脳が痛みに敏感になり、かえって頭痛の回数が増えて毎日重苦しい痛みが続く「薬物過多による頭痛(MOH)」を招くことがあります。市販薬の効き目が以前より鈍くなったと感じる場合や、月に4回以上の頭痛発作がある場合も、痛みを鎮める急性期治療薬の見直しや、発作そのものを起こりにくくする予防療法について医師へ相談するタイミングです。


突然の激しい頭痛や麻痺があるときは早めに医療機関へ


次のような症状がある場合は、くも膜下出血や脳出血、脳梗塞、脳腫瘍といった二次性頭痛が隠れている可能性があるため、様子を見ずに速やかに医療機関(状況によっては救急受診)へご相談ください2。


  • 突然始まった、これまでに経験したことがないような激しい頭痛(「何時何分に始まったか」がわかるような急激な痛み)
  • 手足の麻痺やしびれ、顔のゆがみ、ろれつが回らない、言葉が出にくいといった症状を伴う頭痛
  • 意識がぼんやりする、高熱や激しい嘔吐を伴う、日が経つにつれて徐々に痛みが強くなっていく頭痛
  • 50歳以降になって初めて現れた頭痛、または「いつもの頭痛」と明らかに様子が違う頭痛

一時的に手足のしびれや痛みが和らいだとしても、脳の血管に原因が潜んでいるケースがあるため、放置せず早めに検査を受けることが推奨されます。


名古屋市で頭痛を相談するときの当院の考え方


名古屋市周辺で繰り返す頭痛にお悩みの場合、脳神経外科などの医療機関ではまず、くも膜下出血や脳腫瘍といった二次性頭痛がないかを区別し、必要に応じて頭部MRI検査などで脳や血管の状態を確認します2。そのうえで国際頭痛分類の項目を参照し、これまでの発作の経過や持続時間、吐き気、光や音への過敏さなどを問診で丁寧に照らし合わせていきます12。


片頭痛の診断や治療は、基本的な診察や検査であれば公的医療保険の適用となりますが、脳ドックのように症状がない段階で受ける検査などは自由診療(公的医療保険が適用されない自費診療)となります。一般的な目安として、保険診療(3割負担)で頭部MRI検査と診察を受ける場合の窓口負担は6000〜7000円台前半程度、自由診療の脳ドックは20000〜30000円程度が一般的な相場です。記載した金額は一般的な相場であり当院の費用ではありません。実際の費用は検査内容や処方薬、医療機関により異なるため、当院の費用についてウェブサイトまたは受付窓口でご案内させていただいております。


また、片頭痛の治療薬には痛みを抑える急性期薬(アセトアミノフェン、NSAIDs、トリプタン系、ジタン系、ゲパント系など)や、発作の回数を減らす予防薬(内服薬やCGRP関連抗体薬の皮下注射など)があります。これらの薬剤には、まれに眠気やだるさ、胃部不快感、胸のつかえ感、注射部位の腫れといった副作用が現れることがあるため、痛みの立ち上がりの早さや頭痛が長引くかどうか、吐き気の有無、持病などを踏まえて医師と相談しながら選択・調整していきます。


脳神経外科は手術だけを行う特別な診療科ではありません。「まだ我慢できるから」「両側が痛むから違うかもしれない」と迷われている段階でも、頭痛日記のメモをお持ちのうえ、お近くの医療機関へご相談いただければと思います。


よくある質問


Q. 両側が痛く、肩こりもあるのですが片頭痛の可能性はありますか?


A. はい、片頭痛でも両側が痛む方や、ズキズキ脈打つ痛みではなく重苦しい痛みを感じる方はいらっしゃいます。また、片頭痛の発作が始まる前後に首や肩のこりを伴うことや、緊張型頭痛と片頭痛の両方を併せ持っていることもあるため、動いたときの悪化や吐き気、光・音への過敏さがあるかを医師へお伝えください。


Q. 市販の頭痛薬は月に何日くらいまでなら飲んでもよいのでしょうか?


A. 一般的な目安として、鎮痛薬や急性期治療薬の服用は「月に10日以内」にとどめることが推奨されます。月に10日〜15日以上の服用が数か月続くと、脳が痛みに敏感になって頭痛の回数が増える「薬物過多による頭痛」につながることがあるため、薬を飲む日数が増えてきたら医療機関へご相談ください。


Q. 閃輝暗点(キラキラした光)が見えたタイミングでトリプタンを飲んでもよいですか?


A. トリプタン系薬剤は、閃輝暗点などの前兆が出ている段階で服用しても頭痛発作の予防にはつながりにくく、頭痛が始まった直後の早い段階で服用するのが一般的な目安です。ただし、これまでの経験から痛みがピークに達するまでの時間を把握されている場合は、薬が効き始めるまでの時間を逆算して服用時期を医師と相談することもあります。


Q. 頭痛で脳神経外科を受診すると、必ずMRI検査を受けることになりますか?


A. すべての患者さまに必ず行うわけではありませんが、他の疾患による二次性頭痛を除外するため、初めて受診される方や、これまでと痛みの性質が変わった方、しびれなどの症状を伴う方には頭部MRI検査をご提案することがあります2。検査の必要性は問診と診察のうえで医師が判断します。


参考文献


1. Osiowski M, Taterra D, Osiowski A. Epidemiology and Clinical Characteristics of Nummular Headache in Observational Studies: A Systematic Review and Meta-Analysis. Neuroepidemiology. 2026. PMID: 40889247 / DOI: 10.1159/000547805

2. Gama-Reyes EG, de Caceres-García AN, Castillo-Vaca MF et al. Migraine-like headaches: a systematic review of secondary etiologies, clinical features and therapeutic patterns (1977-2024). The journal of headache and pain. 2025. PMID: 41152703 / DOI: 10.1186/s10194-025-02151-8

3. Talandashti MK, Shahinfar H, Delgarm P et al. Effects of selected dietary supplements on migraine prophylaxis: A systematic review and dose-response meta-analysis of randomized controlled trials. Neurological sciences : official journal of the Italian Neurological Society and of the Italian Society of Clinical Neurophysiology. 2025. PMID: 39404918 / DOI: 10.1007/s10072-024-07794-0


竹本 将也

医師


たけもと脳神経外科

院長

竹本 将也

▶ 監修者プロフィール

経歴
平成9年3月 愛知県立岡崎高等学校 卒業
平成9年4月 名古屋大学医学部医学科 入学
平成15年4月 社会保険中京病院(現 JCHO中京病院) 就職
平成20年4月 名古屋大学医学部大学院 入学
平成23年4月 社会保険中京病院(現 JCHO中京病院) 就職
令和5年11月 たけもと脳神経外科 開院
資格・所属学会
脳神経外科専門医・指導医
臨床研修指導医
日本脊髄外科学会認定医
脊椎脊髄外科専門医
日本脳神経外科学会
日本脳卒中学会
日本脳卒中の外科学会
日本頭痛学会
日本脊髄外科学会