十分な注意が必要です
頭部を強く打った場合、頭の内部での出血が激しいと、通常は24時間以内に何らかの症状が現れ始めます。ご本人は安静にし、パートナーやご家族はしっかりと見守るようにしてください。特に頭を打ってから12~24時間の間は、特に注意が必要です。もし異常を感じた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
頭を強く打った場合、脳や頭蓋内で出血が起こる可能性があります。この外傷性頭蓋内出血は、衝撃を受けた直後から始まり、出血量によっては重篤な後遺症や緊急の状態を引き起こす場合があります。出血量が多い場合は症状が強く現れ、出血が比較的少ない場合は症状が遅れて出ることが特徴的です。通常、頭を強く打ってから24時間以内に症状が現れるとされていますが、心配な場合は念のため医療機関を受診することをお勧めします。
頭を強く打った直後に、数秒から数分間の意識喪失がある場合、脳震盪(のうしんとう)の可能性が考えられます。また、ふらふらしたり、言語能力が低下したりする状態がしばらく続く場合も、脳震盪を疑います。軽度の脳震盪であれば数分で症状が治まることが一般的ですが、症状がひどい場合は数週間にわたって持続する場合もあります。異常が見られなくても、受診し、医師の指示に従って安静に過ごすことが重要です。
顔面を強く打つと、頭蓋内にある比較的細く、脆弱な脳神経が損傷することがあります。その結果、損傷を受けた脳神経によって様々な症状が現れる可能性があります。例えば、目が見えなくなる、ものが二重に見える、顔が左右非対称になる、顔の感覚が無くなるなどです。もし類似の症状を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けることが重要です。適切な治療やケアが早期に行わ れることで、状態の悪化を防ぐことができます。
頭皮は血管が多く、血流が非常に豊富であるため、傷を受けるとそこからの出血量が多くなる傾向があります。出血した場合は、流水で清潔にしてからタオルなどで圧迫し、速やかに受診してください。
スポーツや交通事故などでけがをすると、首の骨(頚椎)やその中にある神経(頚髄)を損傷することがあります。神経障害による四肢の麻痺や、呼吸にかかわる筋肉の麻痺などの生命に関わる重篤な状況を招くこともあるので、十分な注意が必要です。
ちょっとした尻もちや転倒の衝撃に耐えられずに背中や腰の骨が折れてしまうことがあります。初期の段階や軽傷の場合は単純なレントゲン写真などでは診断が難しく、MRI検査による診断の精度が高いです。加齢とともに骨密度が低下して骨がもろくなる骨粗鬆症が圧迫骨折の主な原因とされています。
新しい骨が生成される骨形成と古い骨が分解吸収される骨吸収が、常に骨の中でバランスを取っています。骨粗鬆症とは、そのバランスが崩れることで、骨の密度が低下し強度が下がった状態のことを指します。女性ホルモンの減少や加齢、生活習慣、偏った栄養バランスなどが原因として挙げられ、骨粗鬆症を放置すると、圧迫骨折や大腿骨骨折などの健康的な生活を脅かすトラブルを引き起こす可能性が高くなります。当院ではX線を使用した骨密度を正確に評価する検査が可能ですので、気軽にご相談ください。特に40歳以上の閉経後の女性は数年に一度の検査をお勧めしています。治療が必要な場合には、当院にて適切な治療法を提案いたします。